心とからだは遺伝子でつながっている!

先週末、日本不妊カウンセリング学会主催の学術集会に参加しました。

さまざまなリサーチの発表の場であり、医療者の現場と患者の現状を知るとてもよい機会です。

たくさんの発表に刺激を受けながら、その中でも特別講演であった

中九州学園 理事長の後藤和文さんのお話がとても刺激的で聞き入ってしまいました。

ご本人は鹿児島大学で教鞭を取られていたと同時に生物学(だったと記憶、、、)研究者でもあり、

日本国内での体外受精で今やIVFをしのいでしまった顕微授精の元祖を世界に先駆けて発表された方です。

(大変失礼ながら知りませんでした、1992年のベルギーで初めて顕微授精というのが私の頭にはありました)

後藤先生の研究は死んだ牛の精子を使って顕微授精により子牛を誕生させたというものです。

1990年に発表されていますから、顕微授精はこの発表によってヒトへの技術が加速したのでしょう。

ともあれ、

研究者である後藤先生が、今は幼稚園や教育施設の理事長として現場にいらっしゃいます。

現場におられる先生の教育論は、そのため非常に科学的なものですが、

人としての感情とあいまって、とても入ってきやすいものでした。

子供をほめて育てなさい---

良く耳にする言葉ですが、なんとなくしっくりこないことは親だけでなく

子供だって感じるときがあります。

ほめりゃいいってもんじゃないでしょ、的な(笑)

ほめるとどうしていいのか、ほめたら子供はどう感じて、

それがどう心とからだに影響するのか、、、

先生はそれを心が応して、それを脳が受け止め、

そしてからだに影響するという過程を丁寧にお話ししてくださいました。




そもそも受精卵が分割されているときは、すべてが同じ細胞で、

それが遺伝子のおかれた環境やほかの細胞との関わりで、

さまざまな細胞になっていくということ---

目になったり、足になったり。

「遺伝子のスイッチ」と説明されていました。わかりやすいですね。

これが順番に最適な時期に入れられることによって、

正常な成長がなされるのだそうです。

そしてなにより、心の持ち方がこの遺伝子に大きく影響すると。

(もちろんはじめからの遺伝子の不具合というのもありますが。)

ほめることはスイッチが入ることにつながるのだそうです。


また、23対の遺伝子をもつ人間は単純に計算しても

70兆(!!!)のバラエティを生み出すんですって!!

みんな一緒、、、なわけないんです。

それぞれが心もからだもそれぞれの個性で生まれてきているわけですね。



みんな違って、みんないい(金子みすず)

ということですね。
(素敵な言葉です)



と、話が脱線しましたが、

大人の言うことを聞く子がいい子じゃないし、

人と違う行動をするから「変な子」なわけじゃない

からだの形も人と違い、考え方も全然違う

今の幼児早期教育に疑問をもっていた私には、この

心と遺伝子はつながっているという言葉はまさに

「ほしかった、その一言!」状態。

教育論として科学者かつ教育者である後藤先生のお話には目からうろこでした。


同様にこのお話からもやはり

不妊治療においても、やっぱり心とからだはつながっている----という視点が

とてもとても大切だと実感した次第です。

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